極めて不仲な兄弟間の相続トラブルを調停で解決した事案
[相続人関係]
被相続人・・母親(A)
相続放棄者・・次男(X)、長男(Y)
[依頼背景]
遺産は実家の不動産(土地・建物)ですが、Y一家が、Aと同居をしていました。
Aが亡くなった後、Xは、遺産分割を求めましたが、Yは「出て行きたくない」「支払う金はない」の一点張りで話し合いに応じようとしませんでした。
どうしようもなくなったXは当事務所をご紹介され、当事務所にご依頼いただきました。
[弁護士の関わり]
交渉での合意の見込みがないと考え、速やかに遺産分割調停を提起しました。
調停では、不動産の評価は特に問題とならず、専ら、Yの支払限度額が問題となりました。
Yは銀行から融資を受けると言い続けましたが、融資をしてくれる銀行が見つからず、頓挫しかけました。
[結果]
最後に、先にYに相続登記をしてもらえれば、遺産を担保に融資を受けられるという話になりました。代償金を受け取る前に相続登記を許すことはXのリスクですが、最後はYを信頼して、調停を成立させました。
その後、約束どおり、Yからは代償金が満額、振り込まれました。
[担当弁護士の所感、事件解決のポイント]
とにかく当事者間の関係は非常に険悪であり、和解は到底望めない雰囲気でした。
抗告審が出た結果、双方とも上告はせず、抗告審で出た権利関係を受け入れることになりました。
不動産は共有のままでしたので、どちらかから共有物分割の裁判を起こす必要がありました。
しかし、これまで代理人間も険悪だったところ、当事務所が就任したところで、代理人間の関係が改善し、共同で不動産を売却し、持分で按分する内容で協議を詰めていきました。
協議は難航しましたが、最終的には希望する金額で購入者が見つかり、紛争を終結させることができました。
当事務所によくお問い合わせいただく相談内容
この記事の監修者について
アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)専門分野
相続遺言、交通事故経歴
秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。022-398-8671
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