遺言のススメ~遺言を書かないことのデメリット~【実際のトラブル事例】

遺言は弁護士に相談すべき

~大切な家族のために、遺言を考えてみましょう~

セミナーや相談で「遺言を書きましょう」とおすすめすると、

「自分はまだまだ元気だから、遺言を作る必要はないよ」

「うちは揉めるような財産はないから」

「うちの家族は仲が良いから、争うわけがないよ」

とおっしゃいます。

しかし、よくよく考えてみると、これらは、いずれも遺言を書かない理由にはならない、ということに気付かされます。

その理由は後ほど述べますが、「なぜ遺言書を書かないといけないのか?」というご質問については、「遺言を残すと、こんないいことがあります」という積極的な理由よりも、「遺言がなければ大変困ることになります」という消極的な理由のほうがしっくりときます。

つまり、プラスを生み出すのではなく、マイナスを回避する存在、です。

では、具体的にどのようなトラブルが生じてしまうのか、について、ご説明いたします。

決められたゴールがないので、親族間の熾烈な紛争につながりかねない

相続とは、人から人への、権利義務の承継のことですが、法律上は、相続人となる資格のある人(法定相続人)「全員」の同意で、遺産を分割する必要があります。

しかし、法律は、相続人の持分割合は定めるだけで、具体的な分け方については、「一切の事情」を考慮する、としか書かれておりません。

「相続人間の自由な話し合いで決めていい」といえば、聞こえはいいのですが、決められたゴールがない故に親族間の熾烈な紛争につながっていくことになります。

しかし、遺言があると、被相続人が定めたゴールがあるわけですから、多少不満があったとしても、できるだけ紛争は起こしたくない、という心情と相まって、一応は円滑な相続が実現できます。

相続をするときに全員が「正常な判断能力」があるとは限らない

遺言がない場合の「全員」の同意の前提として、「全員」「正常な判断能力」を有していることが必要となります。

しかし、高齢化により、被相続人が100歳近くまで長生きされた場合、その子どもたちも高齢者になっており、昔は、子沢山だったこともあり、10人の子どもうち一人(Aさんとします)が施設に入所されていて、認知症が進行している場合があります。

そのときに、遺産分割を進めようとすると、まず家庭裁判所に、Aさんの「成年後見人」を選任してもらう必要があります。

しかも、一度、成年後見人がついたら、遺産分割が終わったとしても、途中で解除することはできません。生涯、Aさんには成年後見人がつくことになります。

ですので、Aさんのご家族が、成年後見人を付けたくない、というと、成年後見人は付けられず、いつまでも遺産分割が進まない、ということもあります。

誰が相続人になっているか、どこにいるのかがわからない

さらに、相続人が多い場合、相続人のなかには、国際結婚されて、海外移住していたり、そのまま海外で亡くなられて、その子ども(外国生まれで日本語がわからない)が相続人となっているケースもあります。

日本の遺産分割では、協議書に、相続人全員の「実印+印鑑登録証明書」が必要となりますが、海外ではハンコ文化などなく、そのための対処も必要となります。

場合によっては、現地の弁護士に協力を依頼して進める場合もありますが、時間と費用は、考えるのも恐ろしいです。

なぜ遺言を書くべきなのか?

なぜ、遺言を書くのか?というご質問に対しては、遺言がない場合、これらのトラブルを回避する手立てがない、というのが一番の理由になります。

そして、これらのトラブルは、「本人の健康」「財産額」「家族の円満」とは無関係に起こり得るのです。

ちなみに、「我が家には遺言書を残すような遺産はない」と思い込んでしまっている方にお伝えしたいのが、相続紛争の約7割遺産が5000万円以下と言われており、1000万円以下で揉める事案も少なくありません。というのも、実は遺産が多ければ、分割の選択の余地も多くて、話し合いでの解決がしやすいのですが、遺産が少ないと、選択肢が少なく、全員が満足いく解決が難しくなっていくのです。

財産の多少と揉める可能性は、比例しません。

遺言作成は、弁護士に相談すべき理由

本ホームページでは、遺言について、様々な記事を掲載しておりますが、弁護士は、「相続のトータルサポート」ができます。

例えば、公証人役場に行けば、簡単に遺言を作ってもらえるとします。

確かに、一面としては、正しいのかもしれませんが、公証人は、ご本人の要望に沿って、公正証書遺言を作成しますが、きめ細やかな提案をしてくれるわけではありません。

例えば、「私は、Aに全財産を相続させたい」→「はい」となります。遺留分の配慮であったり、生前贈与の確認などは期待できません(そもそも公証人はそのような義務も責任もない)。

ですので、内容をご自分で確立できる方であれば、直接、公証人役場に行っていただいて良いのですが、ご本人の要望を汲み取って、遺言という形にまとめるのは、知識・経験が必要で、かなり難しい作業です。

しかし、弁護士は、法的知識・法的手続に精通しており、代理人として多数の紛争案件に関与した経験があるから、いろいろな場面を想定した遺言の提案が可能です。

また、遺言は、読み人にとって解釈が分かれるものは紛争の火種となりますので、誰が読んでも同じように読み取れる表現や構成を考える必要もありますが、これも日常、契約書のチェック・作成をしている弁護士が得意とする分野です。

仮に、解釈に争いが出てくると、遺言者の真意を探究し、遺言書作成時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮することまで必要となってきて、迅速な相続手続きができなくなってしまいます。
以上の理由から、遺言作成に悩まれた場合には、ぜひ、相続に詳しい弁護士にご相談されることがベストといえます。

遺言の内容を弁護士と一緒に検討されたい方へ

〇遺言を書こうと思ったが、どうすればよいのかわからない

〇自分の遺言が原因で家族間のトラブルになってほしくないのでトラブルを回避できるような遺言の内容を考えたい

〇相続対策に遺言を書きたいが、内容については何も考えていないので専門家からアドバイスが欲しい

上記のようにお考えの方は、当事務所の「遺言作成コンサルティング」のご依頼をご検討ください。

遺言作成をお考えの方へ あわせてお読みいただきたい記事

1、遺言のススメ~遺言を書かないことのデメリット~【実際のトラブル事例】>>

2、遺言の作成で「将来、ゆっくり考えたい」が危ない理由>>

3、自分は遺言を書いたほうがいいか知りたい方へ【遺言の必要度判定リスト】>>

4、遺言には何を、どう書いたらいいの?【実際の相談事例と例文】>>

5、遺言執行者は必要ですか?誰に頼めばいいですか?>>

6、既に遺言を書いたので安心?内容は大丈夫ですか?【見直したいポイント】>>

 

 

当事務所によくお問い合わせいただく相談内容

この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
相続・遺言の問題でもめている・悩んでいるあなたへ 050-5286-1136

ご相談の流れはこちら

022-398-8671

相続・遺言の問題でもめている・悩んでいるあなたへ

022-398-8671