共有名義の不動産には民事信託が有効!【弁護士コラムその2】

共有名義は、共有者が全員健康で、仲が良い場合には問題ないのですが、高齢等で判断能力が衰えたり、仲違いしたり、管理・処分方法で意見が合わない場合に、支障が出てきます。

例えば、多くの共有者が売却により現金化したいと思っていても、一人が反対すれば現実には売却は困難です。

 

また、大規模修繕が必要なときも、経費を巡って全員の同意が得られなければ、実行に移すのが遅れ、入居率や家賃が下がるおそれもあります。

そこで、「所有」は複数であっても、「管理・処分権限」は一本化しておくことが望ましいのです。

 

全員の同意が前提ですが、民事信託を活用することで、若い後継者(共有者の跡継ぎなど)を受託者とすることで、長期にわたる円滑な資産管理・活用が可能となり、仮に、共有者の誰かが認知症となって判断能力が衰えた後も、管理は受託者が継続し、共有者は受益者として、不動産から発生する果実(家賃収入)を得られることになります。

大規模修繕や立替の必要性についても、受託者の判断で行うことが可能です。

 

また、共有者の誰かに相続が発生したとしても、相続されるのは、利益を受ける権利(受益権)であり、受託者の管理・運営には支障が出ません。

 

さらに、民事信託では、遺言の機能を持たせることも可能であり、かつ、通常の遺言では認められていない2代、3代先の財産の承継人を定めておくことも可能です。

そのため、使い方によっては、当該不動産を一族で承継していくことも可能となります。

 

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この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
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