弁護士と遺言執行

遺言執行者を指名しておく理由

遺言に書かれた内容を実現することを遺言執行といいます。

 

遺言を書くときに、遺言執行者になって欲しい人を、予め指名しておくことができます。

 

遺言執行人を指名しておくことで、相続人が勝手に財産を処分することを防げたり、手続きに協力しない相続人がいた場合でも、円滑に手続を進めることができるメリットがあります。

 

遺言執行者を指名で、「ご家族の負担を軽減」と「円滑な相続」を実現することができます。

 

これから遺言を書かれる方は、「弁護士に遺言執行者を依頼する理由」をご覧ください。

 

ご自分が遺言執行者に指名されている方は、「遺言執行者の代理サービス」をご覧ください

 

弁護士に遺言執行者を依頼する理由

遺言執行者には、資格が必要ないため、ご家族、特に遺言で優遇したい相続人(例:全財産を取得する相続人)を、遺言執行者に指名する遺言が散見されますが、トラブルの原因となり、推奨できません。2つの理由があります。

 

遺言執行は法的業務であること

遺言執行者の業務には様々ございますが、やるべき業務を怠った場合、責任追及(賠償責任)を問われる場合もあります。弁護士以外が遺言執行者をされた事案で、目につく業務だけしか行わず、本来やるべき業務を全くしておらず、それが原因で、相続人間でのトラブルに発展したケースもあります。

 

(1)相続財産調査

(2)財産目録の作成・交付

(3)不動産の現地調査、現況維持、賃料の取り立て
遺贈の場合は、受遺者の意思確認と所有権移転登記手続き

(4)遺産に預貯金がある場合
通帳・印鑑・証券の保管、金融機関への通知、払戻業務

(5)遺言が清算型の場合
債務調査、債務の弁済、遺産の換価業務全般
① 遺産に債権がある場合
回収業務、時効中断業務
② 遺産に自動車がある場合
鍵、車検証、保険証券の保管、登録移転
運行供用者責任を負う可能性があるため、速やかな名義変更
③ 遺産に有価証券がある場合
保有株の確認、証券口座の開設、売却時期の検討など

 

(6)遺言に基づき分配
前提として、受遺者の所在調査・連絡

(7)業務終了報告の作成・交付

 

ご家族の間に禍根を残すおそれがあること

遺言執行者は、「相続人全員」のための地位であり、相続人全員に、相続財産の目録や、業務の結果を報告する義務があります。

 

しかし、相続財産の全てを取得できる相続人が遺言執行者の場合、他の相続人に対し、何も知らせないことが往々にしてあります。

 

それでは、他の相続人は、納得できず、「親に無理やり遺言を書かせたはずだ。」「なにか隠しているはずだ。」と不信を抱きやすくなり、必要以上の紛争を招き、仲が良かった兄弟同士が、苛酷な遺産争いに発展するリスクがあります。

 

そのため、特に相続人間に不公平な遺言である場合には、遺言執行者は、家族以外の方(一番望ましいのは遺言執行の経験がある弁護士)を指名しておくことが無難です。

 

遺言執行者の代理サービス

ご自分が遺言執行者に指名されたので、お受けしたものの、予想外に大変である場合、当事務所では、遺言執行者からのご依頼で、遺言執行者の代理人として、遺言執行業務にあたらせていただくことができます。

 

例として

「財産が多くて、名義変更をするのに大変な手間がかかる」
「直接、連絡を取りたくない相続人がいる」
「連絡のつかない相続人がいる」
「相続人の間で紛争があり、引き継げができない」
「相続人から、色々な調査をするよう要求されている」
「債務を支払っていいか、不安がある」

 

上記のお悩みは、遺言を書いた時点では問題はなかったけれども、相続発生時には問題となっていることもあります。

 

遺言執行者に知識や経験がない場合、大変、苦労されます。もし、遺言執行者の不手際で、誰かに損害が発生した場合、遺言執行者に責任が生じてしまいます。

 

遺言執行者は、単に、財産の引き継ぎをするだけではなく、財産調査や管理が必要となるケースもあります。

 

そのような場合には、当事務所にご相談いただければと思います。

 

ご自身で対応できる問題なのか、そうではないのか、ご一緒に考えさせていただければと思います。

 

弁護士に遺言執行者を依頼する費用を気にされている方へ

相続財産の3%に20万を加算した額を基本としまして、財産、手続の数などを加味させていただきます。

 

 

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この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
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