相続人の一人が、被相続人の土地の上に、自宅を建てて住んでいた場合(地代を支払っていない)、特別受益にあたりませんか?(土地の無償使用)

特別受益は、遺産の前渡しと評価できることが必要です。そのため、「地代相当額」を主張しても、特別受益とは認められるのは難しいですが、土地に「使用借権」が設定されたと考え、使用借権相当額を特別受益であると主張することは可能です。

 

使用借権は、弱い権利ですが、他人の建物があることで、土地の価格が目減りします。その目減り分が使用借権の相当額として特別受益により相続人の一人が取得したと評価することは可能です(ただし、そこに親も住んでいた場合は難しいでしょう)。 なお、似たような話で「建物」(例:マンションの一室)の無償使用の場合は、そのような権利はないため、特別受益の主張は難しいとされています。

 

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この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
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