義兄弟(父親が再婚相手の連れ子と養子縁組)の相続を放棄できた事案

[事情、解決のポイント]

両親が離婚し、父親は子連れの女性と再婚し、女性の連れ子(当依頼人の義兄弟。本件の被相続人)と養子縁組をしました。
当依頼人との面識・交流は全くありませんでしたが、数十年後、某役所から、義兄弟が亡くなったので遺骨を引き取ってほしい旨の連絡があり、相続を認知しました。
最初に、本当に当依頼人が相続人であるのかを確認する必要があり、被相続人に子どもがいないか、被相続人の実の両親は存命ではないか、更に、その上の祖父母はどうか・・と戸籍を辿って調べなければ、当依頼人が法定相続人であることの証明ができません。
調査の結果、法定相続人であることの確認が取れましので、速やかに家庭裁判所に相続放棄の申述を行いました。死亡(相続開始)から3か月が経過していましたが、死亡(さらに言えば相続人であること)を知ってから3か月以内でしたので、その旨を説明することで、無事に、相続放棄が受理されました。

 

[担当弁護士のコメント]

親が養子縁組をすると、法律上は実子と同じ扱いとなります。
実子からすると、突然、兄弟が増えることになりますので、相続関係が複雑になります。
しかし、仮に全く心当たりがなくても法律上の相続人の地位があるのであれば、相続放棄をしないと突然、カード会社などから請求書が届く場合もありますので、注意が必要です。

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この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
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