売却に反対する相続人を説得して、実家の土地・建物を売却することができた事案

【背景事情】

 遺産である土地・建物は、被相続人とその妻の共有でしたが、実際には被相続人の弟(相談者からみて義弟)が無償で居住していました
 遺産分割にあたり、妻は、土地・建物は売却し、妻の持分を除いて、法定相続分で分割することを希望しました。
 しかし義弟は、売却のための転居を拒否したため、妻は当事務所に相談の上、遺産分割調停での解決を図ることとしました。

【当事務所の活動と結果】

 当事務所では、戸籍、住民票、登記簿、固定資産評価証明書などの調停の申立に必要な書類を速やかに収集し、準備から概ね1ヶ月程度で、遺産分割調停を申し立てることができました。
 遺産分割調停申立書を提出してから相手に書類が送られるまでは1ヶ月以上要することが多いことから、その間、今後の窓口が弁護士となることを通知しました。すると、義弟の妻と名乗る女性から、当事務所に、暴言・罵倒する電話がかかってきました。これに毅然と対応したことで、以後、電話はかかってきませんでした。
 調停において、調停委員より、義弟が立ち退いて売却したほうが高額での買い手が期待でき、それが義弟にも利益となることを説いてもらったところ、一応の理解を得ることに成功しました。ただし、引越し費用がないとのことだったので、当方依頼者が、転居費用を貸すこととし、売却金から返済することで話がついたため、その内容で調停を成立させました。
 その後、不動産業者に依頼し、一般への販売が開始したところ、概ね希望の金額で売却することができて、遺産分割事件は無事、解決することができました。

【解決のポイント】

遺産である不動産を全員の協同で売却したい場合、反対する相続人がいる場合、その説得は困難を極めます(特に、反対する相続人が建物を使用している場合)。
弊所の経験上、色々と理由を付けて転居を拒否するか、先延ばしにされることが多いことから、早い時点で法的手続きに移行することが、早期解決への近道となります。
なお、不動産の売却にあたっては、相談できる不動産業者との連携も鍵となります。その上で、不動産の個別性に着目して、上記方法しかないのか、他に選択肢がないのか、などを見極めて、方針を策定していくことになります。

 

当事務所によくお問い合わせいただく相談内容

この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
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