遺留分減殺請求をしたい方へ
遺留分減殺請求とは、遺言や生前贈与によって侵害された遺留分(法定相続人に認められた最低限の遺産の取得割合)を、請求することです。
具体例としては、被相続人が遺言で全財産を一人の相続人にだけ残した場合、他の相続人の遺留分が侵害されていることになりますので、全財産を譲り受けた相続人に対して、遺留分を請求することができます。
仮に、あなたの遺留分が4分の1だとしたら、あなたは全財産を譲り受けた相続人に対して、遺産の4分の1を引き渡すか、相当する対価を支払うよう請求できます。
以下の場合には、遺留分が侵害されている可能性が高いため、弁護士に、遺留分減殺請求の見通しなどをご相談ください。
・遺産の全てを相続人の一人に譲るという遺言が残された場合
・被相続人が、生前に、第三者に多額の財産を贈与していた場合
・被相続人が、面倒を見てくれた施設や団体に全財産を寄付する遺言を残していた場合
遺留分減殺請求の具体的な方法
可能な範囲で遺産を調査し、請求可能な遺留分の金額を算定します。
そして、遺留分の減殺請求を行うことを書面で相手方に通知します。口頭で請求しただけでは、後になって、本当に請求したのかどうか、その時期はいつか、という点で争いになる可能性がありますので、内容証明郵便で行うことをお勧めします。
遺留分減殺請求を行っても相手が応じない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てたり、民事訴訟を提起して、裁判所の判断を仰ぐこともできます。
遺留分減殺請求の注意点
遺留分減殺請求を行った結果、相手方が素直に請求に応じてくれることは殆どありません。多くのケースでは調停や裁判となります。
従って、遺留分減殺請求を行う場合は、これらの法的手続きをとる必要があることを念頭に入れて、当初の遺産調査の段階から弁護士にご相談されることをお勧めします。
また、遺留分減殺請求は、遺留分が侵害されたことを知ってから1年以内に行わなければ、時効にかかり請求できなくなります。
「遺留分減殺請求をしたら兄弟関係が悪くなるのでは・・」「せめて一周忌まで待った方がいい」等と心配でなかなか手続きに踏み出せない方もいらっしゃると思いますが、期限は思いのほかあっという間に来てしまいますので、特にご注意ください。
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この記事の監修者について

専門分野
相続遺言、交通事故経歴
秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
022-398-8671