遺産分割調停を申し立てたほうが良い場合

遺産分割協議がこうなったら弁護士に相談してみましょう

・遺産分割協議を当事者間で進めてみたが、ある1人の相続人が自分の取り分を多くしたい(その他、自分に有利な内容でないと応じない)といってきかない
・主張が2つに分裂し、いくら協議を続けてもらちがあかない

 

上記のような場合に、遺産分割調停の申立を行うと、遺産分割が進みやすくなります。

 

一般に、「調停」ときくと、「とても時間がかかる」というイメージがあります。たしかに、2年、3年と、時間がかかり、当事者が大変、疲労されるケースはあります。しかし、逆に、1~2回で解決するケース、半年ほどで解決するケースも多くあります。

 

財産が大変多く、評価も難しい場合には、ある程度、時間がかかるのはやむを得ませんが、そうではなく、感情的な問題や、相続人の考え方に問題があるような場合では、調停は非常に有効な制度です。

 

特に一人の相続人が法定相続分以上の権利を求めてくる場合です。

 

といいますのも、法律上の権利以上の権利を主張することは、実は、とても大変なことです。

 

身内のなかでの話し合いだからこそ、「少し強くいえば、応じるだろう」という意識が働きます。

 

しかし、裁判所(調停)では、そのような言い分を理解してもらえることはありません(親の介護を一人で見てきた場合などは、多少、考慮してもらえる場合もあります)。

 

当事務所では、原則として、協議で解決できるように、相手方と交渉をしますが、弁護士が関与した後でも、相手の考えが変わらない場合には、遺産分割調停の申立てを提案いたします。

>>詳しいサポートについてはこちらをご覧ください>>

 

そもそも遺産分割調停とは?

遺産分割調停は、家庭裁判所に、相続人の1人又は複数人が、残りの相続人を相手に申し立てます。

 

調停では、調停委員を仲介者として、相手方と交渉を進めます。調停は月1回程度行われ、調停委員は仲介者として、遺産分割がまとまるようにアドバイスをしてくれます。ただし、調停はあくまで「話しあい」であるため、裁判官や調停委員のアドバイス等には強制力はないことから、共同相続人のうち一人でも納得しなければ調停による解決はできません。その場合は、「審判手続」に移行します。

 

申立てをする場合に必要な事

では、遺産分割調停を申し立てる際に必要な事とは何でしょうか。具体的に見ていきましょう。

 

遺産分割調停の申し立てに必要な書類

遺産分割調停の申し立てのためには、裁判所に提出する書類を作成する必要があります。

 

必要書類は裁判所が指定しております。なお、申立てを行う裁判所によっても変わってきます。

・調停の申立書
(当事者等目録、遺産目録、相続関係図、申立ての実情、特別受益目録、申立書添付書類一覧表兼チェックリスト)
・収入印紙(被相続人の人数に伴って変動)
・郵便切手(相続人の人数に伴って変動)
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍謄本,改製原戸籍謄本等)の原本全て
・直近3か月以内に取得した相続人全員の現在の戸籍謄本の原本
・被相続人の住民票の除票の原本(すでに廃棄してしまっている場合は戸籍の附票の原本)
・直近3か月以内に取得した相続人全員の住民票の原本

 

遺産目録に記載されている財産に関する資料

・直近3か月以内に法務局で取得した登記事項証明書(登記簿謄本)の原本
・直近3か月以内に市町村役場で取得した固定資産評価証明書
・法務局で取得した公図写しに建物配置を書き込んだもの,または住宅地図(住居表示がされているもの)
・申し立ての時点での預貯金の残高証明書写し、または通帳、証書の写し
・株式の残高証明書写し
・運輸支局で取得した自動車の登録事項証明書写し、または車検証写し
・【相続税の申告をしている場合】相続税申告書写し
・【遺言書がある場合】遺言書の写し

 

なお、裁判所のウェブサイトにフォーマットが用意されておりますので、ご参考までにご覧ください。
参考:裁判所ウェブサイト

 

申立書の作成方法

遺産分割調停の申し立てに必要になる「申立書」は書式が決まっており、記載項目としては下記のようになっております。

・申し立てをする人の氏名・申立先の裁判所名
・添付書類(上記に記載しております)
・被相続人名・最後の住所
・申し立ての趣旨・理由

 

そのほか、当事者等目録、遺産目録、特別受益目録については裁判所のウェブサイトにもまとめておりますので、あわせてご参照ください。

参考:裁判所ウェブサイト

 

調停にかかる期間

遺産分割調停は、「調停期日」といって、裁判所から調停を行う日(期日)の指定がなされます。期日には裁判所に出頭し、調停委員にあなたの主張を伝えていくことになります。

 

裁判所が毎年まとめている「司法統計」によれば、その「調停期日」の数2~3回でも少ないほうで、多くは6~10回程度設けられます。場合によっては20回を超えることもあります。

 

そして期間としては、多くの場合半年~1年、長いと3年を超えることもあり、長期にわたることが多くなります。

遺産分割調停を有利に進めるために

では、遺産分割調停を有利に進めていくために、当事務所の弁護士から調停期日の流れやポイントを解説いたします。

 

遺産分割調停期日の流れ

遺産分割調停の申立てが受理され、書類に不備がないことの確認がなされた後、裁判所から調停を行う「期日」の打診・指定がなされます。

 

調停期日には、裁判所に出頭し、調停委員に主張(どうして紛争になっているのか、どのような解決を希望しているのか等)を伝えていくことになります。

 

裁判所には他の相続人も集まりますが、申立人と相手方は交互に調停委員とお話しすることになり、また調停委員と話す以外の時間は控室で待機することになりますが、その控室も分かれているため、遺産分割調停の当事者が裁判所で顔を合わせないようになっています。

※初回と最終回のみ、当事者全員に手続内容等を説明するため顔を合わせる場合があります。

 

前述の通り、通常は調停期日を積み重ねて調停の成立を目指していきます。全相続人が納得し、調停がまとまると、調停調書が作成されます。

 

通常、合意のとおり履行されますが、万一、合意を守らない方がいた場合、「強制執行」が可能となる法的効力を持つ文書になります。

 

遺産分割調停で気を付けること

遺産分割調停は、調停委員に、いかに、ご自分の主張・希望を理解し、納得してもらえるかがポイントです。

 

遺産分割調停では、対立する当事者は、いずれも、自分の主張こそが正しく、相手の主張は、非常識である、と思っていることが多く、相手にこちらの主張を理解してもらうことは困難です。だからこそ、主張や証拠は、調停委員のために提出するものと考えたほうが良いです。

 

代理人を付けていない事件では、遺産分割調停の本質とは無関係な主張(端的には、相手の個人批判)が目につきますが、遺産分割は、相続人が善人でも悪人でも、平等な権利がある、というのがスタートですので、遺産分割調停の本質と無関係な主張ばかりですと、調停委員がげんなりして、しまいます。

 

他方、相続問題に精通した弁護士は、依頼者の権利を最大限確保するための法的主張を丁寧に組み立て、証拠を提出することを考えます。また、調停がまとまらずに審判(後述)に移行することを見据えながら対応することが重要です。

 

なぜなら、調停の担当裁判官は、原則として、審判も担当しますので、調停時に不利になっている場合に審判で不利な状況を打開するのは難しいからです。

 

遺産分割調停の代理人を依頼するメリット

ひと昔前は、調停は弁護士を付けなくても大丈夫、と言われていたこともあったようですが、現在の遺産分割調停で、相手が弁護士を付けているのに、自分は付けない、というのは非常に不利な立場を覚悟しなければなりません。

 

逆に、相手が弁護士を付けていないが、自分が弁護士を付けている、というのは、遺産分割調停を有利に進められる可能性が高くなります。

 

遺産分割調停は、複雑な法律問題がかなり多く含まれており、その判断は、法律家であっても簡単ではありません。

 

調停は、当事者全員が納得すれば、どんな形でも成立はいたしますが、もしかすると、あなたが「仕方ない」と思って応じた内容が、弁護士を付けることで、違う結論になったかもしれませんし、調停委員を説得することができたかもしれません。

 

調停を有利に進行するため、調停委員に納得してもらえるように、証拠を提出し、主張を組み立てる、ことが重要になります。また、審判に移行することを想定して、主張を組み立てることも重要となります。
そのような主張の組み立て、証拠の提出については弁護士以外は熟知しておりませんので、よほどご自分の交渉力に自信がない限りは、調停の段階から弁護士を依頼することが良いと思います。

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遺産分割審判とは

調停が合意できないと審判に進展する

遺産分割調停では、全ての相続人が納得せず、調停での解決が見込めないと判断される場合、調停は不成立(不調)となり、自動的に審判手続きに移行します。

 

調停と審判の違い

遺産分割調停では、調停委員が双方の主張を聞き、調停が成立できるように、相続人間で合意形成をするためのサポートを進め、調停が成立すると調停調書が作成されます。

遺産分割審判では、裁判官が、双方の主張を聞いたうえで、判断を下します。審判で下された判断は法的強制力をもち、判決内容には原則従わなければなりません。

 

審判終了後の流れ

審判の判断の流れに従い、相続手続を進める必要があります。

 

具体的には、預貯金の解約手続、不動産がある場合は不動産の名義変更手続、財産の分配作業等があります。これらの相続手続を怠ると、後々の相続手続、特にあなたの死後や共同相続人の死後の遺産分割で非常に苦労することになりますので、確実に進める必要があります。

 

もし審判に不服がある場合は、2週間以内「即時抗告」する必要があります。なお、即時抗告ができる事件は法律によって決まっており、その内容を作っていくには法的な専門知識が必要になるため、できるだけご本人ではなく、法律の専門家に依頼したほうが良いことが多いです。

 

サポート内容

当事務所では遺産分割が進まない、まとまる気がしない、とお悩みの方に、弁護士より最適なサポートを提供させていただいております。

 

初回60分無料相談

当事務所では、相続の相談について、初回60分を無料とさせていただいております。

 

遺産分割について、あなたの不安点を親身にヒアリングさせていただき、弁護士が相続の不安点を解消できるように、ご提案させていただきます。

 

気になることや不安なことがあれば、ささいなことでもお気軽にご相談ください。

当事務所の相談の流れについて>>

 

遺産分割の事前交渉

当事務所では、紛争解決の方法として、交渉をまとめるか、調停を申し立てるかは、依頼者のご意向に沿って、方針を組み立てます。

 

既に話し合いがこじれた段階であっても、こちらが弁護士を依頼したことに対抗し、先方も弁護士を依頼し、弁護士同士で冷静に協議することで、交渉で、解決できる(解決できた)事案もございます。

 

先述の通り、遺産分割調停に進展すると、相続人の間の関係性が壊れる可能性が高いです。ですので、あなたのご相談をお受けし、妥協の余地があると考えられる場合、または相手が明らかな誤解をしている可能性が高いと考えられる場合などには、事前に相手方と交渉をさせていただく方針としております。

 

遺産分割調停へ依頼者の代理人として調停に参加

遺産分割調停の期日に、依頼者の代理人として裁判所に出頭します。

 

なお、依頼者の方にも、遠方や体調の問題がなければ、出席をお願いしております。

 

最低でも、初回は、ご出席の上、他の相続人や被相続人との関係性など、これまでのいきさつをご自分の言葉で調停委員にお伝えいただくのが良いでしょう。これはご記憶のとおり、お話いただければ結構です。

 

法的な主張や相手の主張のおかしな点は、弁護士が、調停委員に説明いたします。

 

弁護士による遺産分割調停申立書の作成・提出

遺産分割調停の申立てをする場合、弁護士が、遺産分割調停の申立てに必要な書類を作成いたします。

 

具体的には遺産分割調停の申立書の作成、申立てに伴う添付資料(相続財産目録や相続人関係図など)作成のための調査・書類の作成が含まれます。

 

なお、調停申立書は、裁判所が、あなたの紛争について、何も知らない第三者が、初めて目にする重要な書類です。

 

なぜ、紛争が解決できないのか、その点についてのご主張を丁寧に、記載することが重要です。

 

審判移行時のサポート

調停では解決できずに(調停不成立といいます)、審判に移行した場合には、より弁護士の重要性は高くなります。

 

審判は、訴訟と同じで、紛争当事者、双方の主張のいずれが正しいのかを裁判所が終局的に判断する手続きだからです。

 

弁護士を依頼していないことのリスクは2つあります。

1つは、①「するべき主張や立証ができていないこと」

そして、もう1つが、②「してはいけない主張(相手の有利になる主張)をしてしまうこと」です。

「弁護士に頼まなくても大丈夫」とお思いの方は、①を念頭に置いています。

 

しかし、弁護士からみて、本人調停の怖いところは、実は②なのです。弊所でも、過去、相手が弁護士を依頼していなかったことにより、相手が、好き勝手に主張や発言をしました。しかし、その中に、相手にとって実は不利な事実が含まれていたため、それを援用し、有利な内容で解決ができたことがあります。

 

弁護士を依頼する、依頼しない、の、いずれでも、ご自分の納得の問題と捉えることもできますが(弁護士依頼して勝つよりも、弁護士に依頼せずに負けたほうがスッキリする、という方もいるでしょう)、やはり、調停や審判まで進むのであれば、適切・妥当な解決を目指されたほうが良いと思います。

 

相続に強い弁護士は、審判においての法的主張の組み方を熟知しているとともに、法律的に重要な事実を見落とさないように、確実に把握して、依頼者の希望を実現できるようサポートをいたします。

 

費用:料金表に準じる

料金表についてはこちらをご覧ください>>

 

弁護士への相続の相談をご検討されている方へ

お早目に弁護士に相談いただくことで、相続や遺産分割問題について、あなたのご希望に可能な限り応えられる解決を実現する可能性が高まります。

 

また、遺産分割協議の段階で弁護士に交渉をご依頼いただくことで、比較的短期間で解決に進められる可能性が高まり、あなたの貴重な時間が奪われずに済み、またご家族・ご親族間の関係性も悪化させずに済むことが多いです。

 

上記のような理由から、「遺産分割協議が進まないな」「自分が進めたい遺産相続が進められなさそうだな」と少しでも思ったタイミングで弁護士への相続の相談をおすすめしております。

 

当事務所によくお問い合わせいただく相談内容

この記事の監修者について

アイリス仙台法律事務所 代表弁護士 関野純 (仙台弁護士会所属 登録番号35409号)  

専門分野

相続遺言、交通事故

経歴

秋田県出身。千葉大学卒。2005年に司法試験に合格。司法修習を経て、2007年に仙台弁護士会の弁護士に登録。仙台市内の法律事務所に勤務後、2011年に事務所(現・アイリス仙台法律事務所)を開設。直後に東日本大震災が発生し、事務所は一時休業になるも、再開後は被災者の再建支援、相続問題や不動産の賃貸借トラブルを多く依頼される。 現在は弁護士2名、スタッフ3名の事務所の代表弁護士として活動している。また、仙台市内で相続問題や家族信託に関するセミナーの開催や相談会の開催など、地域の高齢者問題に積極的に取り組む。
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